生産者の顔が見える家づくり(3)
こんにちは カナデホーム の住空間プロデューサー浅田佳宏です。
7月24日の午後3時半ころ、土佐栂の製材所である、(有)伊原製材所に着きました
早速、原木を切り出した土佐栂を見せていただきました
↑ (有)井原製材所の社長さん(右)と、当方の同行者Oさん
樹齢300年の原木の一部
徳島県美馬郡つるぎ町、徳島県のほぼ中央に位置する
四国山脈の名峰、剣山の頂上近くに自生する天然の栂の木
このような天然の栂の木は、現在では九州と紀伊半島の一部にしか残っていないそうです
また、原木を扱う業者は、最近までは京都の業者が扱っていましたが、やめてしまったそうです
現在扱っているのは、ここ徳島県の(有)伊原製材所さんのみです
なぜ、栂の木が珍重されるのか
私が住んでいる静岡県では、「桧普請」といわれる総桧造りの家がステータスであったように
栂を使った「栂普請」と呼ばれる総栂作りの家がこの地方の歴史にあります
当然、構造体も栂の木を用いて建てます
特徴は、緻密で木の木目が美しいため古来より珍重されてきました
樹種は松の系統です
原木の数は圧倒的に少なくなっており、なおかつ重要文化財の修復のため
良いものは優先的にそちらにまわされてしまうそうです
また木の中に洞(うろ)と呼ばれる空洞ができて、樹齢300年くらいで倒木してしまうこともあるそうです
(有)伊原製材所さんはこの土佐栂に惚れ込み、唯一土佐栂専門で製材してます
主な用途は床材です
床材として仕上がったものは、当初白木のように白く、使い込むにつれて赤みを帯びていきます
乾燥の工程は、完全な天然乾燥です
なぜ(有)伊原製材所さんは天然乾燥にこだわるのか?
人口乾燥では、木が持つ本来のツヤが出ないそうです
この天然乾燥に6ヶ月を要します
(有)伊原製材所さんはここまでこだわっています
木童の木原所長が惚れ込むわけが、ここ徳島に来て初めてわかりました
↑ 天然乾燥している栂の床材
このままの状態で6ヶ月を要します
↑ 製材所の様子
中の仕事とはいえ、真夏のためかなりの暑さです
こうやって出来上がった製品が家づくりに生かされます
↑ 出荷を待つ土佐栂の床材
ちなみに製品ができるまでの工程です
原木の製材1週間→天然乾燥6ヶ月→人口乾燥10日間→養生3ヶ月以上→プレーナー仕上げ3日間
*プレーナー仕上げとは、床材の表面を機械に通してきれいに仕上げることをいいます
この後、事務所でお茶をいただき
今日の宿泊地である、阿波踊りで有名な徳島市内へ向かいました
明日は、私が入居宅訪問でもご説明した、床材に使用する「相生杉」の産地である
徳島の清流、那賀川(なかがわ)上流に位置する那賀町木頭(なかちょう、きとう)、相生地区
こちらに向かいます
こちらは後日ご報告いたします